パイプクリーナーについて
パイプクリーナーを選ぶ時は成分と粘度と使う場所の見極めが重要です。排水口の流れが悪い時でも原因が髪の毛なのか石けんかすなのか油汚れなのかで効き方が変わります。そのため詰まりが起きている箇所に合った成分を選ばないと期待したほどの効果が出にくくなります。台所では油や食材かすが重なって内側へへばり付くことが多く洗面所や浴室では髪の毛や皮脂やぬめりが重なりやすい傾向があります。トイレや屋外排水のように固形物や土砂が関係する詰まりには向かない場合もあるため使う前にどの系統の排水なのかを考えることが大切です。排水が少し遅い段階なら予防や軽い汚れ落としとして役立つことがありますが水位が上がっている状態や全く流れない状態では薬剤だけで改善しないことも多くあります。どのようなことに気をつけて購入すればよいのか目安を記載しておきます。●【水酸化ナトリウムの濃度】
水酸化ナトリウムはパイプクリーナーの主成分として使われることが多く油汚れやぬめりを分解しやすい成分です。台所の排水口で起こりやすい油脂の付着や食品由来の汚れに対してはこの成分の働きが重要になります。詰まりの原因が油汚れ寄りなら水酸化ナトリウムの濃度が高いほど洗浄力を期待しやすくなりますが濃ければよいという単純なものでもありません。配管の材質や汚れの厚みや通水状況で効き方が変わるため軽い流れの悪さに向くのか予防向けなのかを表示で確認することが大切です。容器の裏面に記載されている成分表を確認し水酸化ナトリウムの濃度がどの程度かを見て選ぶと用途を合わせやすくなります。油汚れが長年固着した配管では表面だけが緩んで奥の厚い汚れが残ることもあり一度で通りが戻らない時は薬剤だけで押し切ろうとせず排水経路全体の状態を考える必要があります。
容器の裏面に記載されている成分表を確認し水酸化ナトリウムの濃度が高いものを購入するとよいでしょう。ただし高濃度の製品ほど皮膚や目への刺激が強くなる傾向があるため使用時は手袋を使い換気を行い飛び散らないよう静かに注ぐことが大切です。水が全く流れない所へ投入すると薬剤がたまって後の分解作業や清掃が危険になることがあります。排水口の周辺に金属部品やゴム部品がある場合は長時間放置で負担が出ることもあるため説明書にある使用量と放置時間を守る必要があります。
●【次亜塩素酸ナトリウムの濃度】
次亜塩素酸ナトリウムはパイプクリーナーの成分として水酸化ナトリウムと並んで注目される成分です。たんぱく質を分解しやすいため髪の毛や皮脂汚れや排水口のぬめりが関係する洗面台や浴室で役立ちやすい特徴があります。殺菌や臭い対策にもつながるため排水口周りの雑菌臭が気になる場面でも使われます。ただし固形物が詰まっている場合やヘアピンやキャップのような異物が引っ掛かっている場合には薬剤では解消できません。流れが悪い原因が髪の毛中心かどうかを見分けるには排水トラップ周辺に目に見える毛束があるか使用のたびに徐々に流れが遅くなってきたかを確認すると判断しやすくなります。
タンパク質を分解する効果があるので詰まりの大きな原因である髪の毛を溶かすことができ洗面台やお風呂場に適しています。殺菌効果も高いので雑菌対策にも役立ちますが酸性洗剤や別の塩素系以外の薬剤と混ぜるのは危険です。前に使った洗剤が排水口周辺に残っているおそれもあるため使用前に水でよく流してから単独で使うことが大切です。刺激臭がこもりやすい浴室や洗面所では窓を開けるか換気扇を回し作業中に顔を近づけすぎないようにします。
【微生物配合のパイプクリーナー】
水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムが含まれていないタイプのパイプクリーナーも一般的に市販されています。微生物の働きで排水管内の有機物を分解しやすくする考え方の洗浄剤で強い刺激を避けたい時に選ばれることがあります。排水口周辺の軽いぬめりや臭い予防には使いやすい面がありますが短時間で固まった油や大量の髪の毛を溶かす力は強くありません。すでに流れがかなり悪い状態や水位が高くなっている状態では改善が乏しいことが多く詰まり解消の主力として考えるより予防や日常管理の一つとして考えるほうが現実的です。排水設備の現場でも急ぎの詰まり除去より軽い臭い対策や汚れの蓄積予防に向くという見方になります。
水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムは刺激性が高く皮膚に付着すると荒れたり痛みが出たりすることがあります。そのため安全性を重視したい時に微生物を使ったパイプクリーナーを選ぶ考え方がありますが油や髪の毛を分解する効果は弱めです。詰まりの解消には向かない場面が多いためヌメリ汚れや悪臭の予防を目的として使用する方がよいでしょう。強い詰まりに対して効きにくい製品を何度も入れると時間だけが経過して被害確認が遅れることがあるため改善が見られない時は早めに別の対処へ切り替える判断も大切です。
●【粘度】
パイプ洗浄剤を購入する時に液体タイプのパイプクリーナーを選ぶなら粘度も重要な基準になります。粘度が低い洗浄剤は流れやすく広がりやすい反面で排水管の内側に長く留まりにくいため汚れに触れている時間が短くなります。逆に粘度が高い洗浄剤は排水口の壁面やトラップ周辺に留まりやすく汚れへ密着しやすいため一般家庭の軽い詰まりや予防では扱いやすいことがあります。台所や洗面や浴室の短い排水経路なら高めの粘度が向くことが多い一方で配管が長い建物や勾配が不安定な設備では奥まで届きにくいこともあります。状況によっては粘度が低めのものが合う場合もあるため使う場所を意識して選ぶことが大切です。
一般のご家庭ではPa・sという単位で粘度が示されていることがありますので数値が高いほど粘度が高いと考えてよいでしょう。表示がある時は数値を比較して選ぶと判断しやすくなります。ただし粘度が高い製品でも完全に詰まった排水管を通す力があるわけではありません。目に見える髪の毛やゴミを先に取り除かずに薬剤だけへ頼ると期待したほど流れが戻らないことがあります。パイプクリーナーを購入する時には水酸化ナトリウムの濃度と次亜塩素酸ナトリウムの濃度と粘度などを比べて用途に合ったものを選ぶと失敗を減らしやすくなります。しかしパイプクリーナーは排水管の重度な詰まりを根本から除去する道具ではなく予防や軽度な汚れ対策として考える必要があります。水が逆流する時や全く流れない時や何度使っても改善しない時は水道業者へ相談する目安になります。
